くらし支える相談センターのブログ

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生活困窮者の自立にはまず“住まい”が必要? 定員7名の個室シェルター「あわやハウス」の試み

ダイヤモンドオンラインの生活保護のリアル、みわよしこさんの論考を紹介します。


生活困窮者の自立にはまず“住まい”が必要?定員7名の個室シェルター「あわやハウス」の試み 


http://diamond.jp/articles/-/60007


「現状では、生活困窮者を支える制度があることはありますけれども、うまく機能していません。行政はずっと、『制度のレールに乗らない本人が悪い』としてきました。でも、本人のニーズに沿った対策をしないと解決しないと思います。当事者のニーズの中から施策を作り、セーフティネットを作っていく形にしないと、セーフティネットの『ほころび』から落ちてくる人たちは、いつまでたっても、いなくなりません。なぜ、今の制度が貧弱なのか。どうすれば、より良いものにしていけるのか。セーフティネットからこぼれた人々の声を聞くべきです」(稲葉氏)

 「少なくとも、実際に困窮している人を経済的に支える制度にはならないでしょう。どういう事業体が実施するかで変わってはきますけれども、やはり就労支援が中心になってきている感じです。『頑張って、仕事を探してください』と尻を叩くだけ、というふうになりかねません。それで仕事が見つかればいいのですが、現実には難しいと思います」(稲葉氏)

 仕事があれば、それで済むというわけでもない。

 「『あわやハウス』に入居している人たちは、仕事があるけれども、定住できないという人もいます。アパートの初期費用を捻出できないために、安心して暮らせる住まいを確保できないんです。でも、そういう人たちは、生活困窮者自立支援法の住宅支援給付を使えません。この制度は離職者が対象なので、仕事のある人は支援を受けられないんです。困窮者の生活実態を踏まえずに制度を作ってしまった感じですね」(稲葉氏)

 小さなシェルター「あわやハウス」を舞台としての数多くの試みは、現在のところは始まったばかりだ。でも、ここでの試行錯誤が、すべての人々のための住の重要性・住宅政策の重要性を浮かび上がらせるのは遠い将来ではないだろう。期待しつつ、応援しつつ、見守り続けたい。