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物価下落理由に生活保護削減 300億円過大減額か

中日新聞の白井記者執筆の記事を紹介します。

生活保護基準が8月から引き下げられましたが、その減額の根拠が意図的に低くされていました。許せません。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013120402000220.html

物価の下落などを理由に八月から減額された生活保護費について、厚生労働省が減額の根拠とした消費者物価指数(CPI)の計算方法が、国の統計では前例のない方式だったことが本紙などの調べで分かった。生活保護費は今後約六百七十億円削減される予定だが、通常の計算法に比べ約三百億円多く減らされることになる。受給者や支援団体からは批判が強まりそうだ。

 減額されたのは生活保護費のうち、食費や光熱費など日常生活費に充てる生活扶助費。二〇一五年度まで段階的に実施され、六百七十億円のうち物価下落分は約五百八十億円を占める。厚労省は、総務省が公表している消費者物価指数をもとに、生活扶助費で賄う品目の物価下落率を計算。この際、各品目の一〇年の指数を「一〇〇」とし、〇八年と一一年を比較した。指数は〇八年が一〇四・五、一一年が九九・五となり、この間の下落率を4・78%と算定した。

 しかし、総務省消費者物価指数はそもそも、調査対象年直前の「五」で割り切れる年を基準に算定している。国際労働機関(ILO)作成のマニュアルにのっとった方式で、〇八年と比べる基準年は本来、〇五年となる。

 本紙が〇五年の指数を「一〇〇」として生活扶助関連品目の物価を計算すると、〇八年の指数は一〇一・八。これを一一年の九九・五と比べると、下落率は2・26%となり、物価下落による生活扶助費の削減額は約二百七十四億円にとどまる。この問題を追及している民主党長妻昭衆院議員が衆院調査局に依頼した試算も2・26%だった。

 厚労省はこれまで主に政府経済見通しの民間最終消費支出の伸びを参考に、生活扶助基準を改定してきた。今回は物価下落率を主な要因とする方式に変え、指標を独自に作った。厚労省は「生活扶助相当の消費者物価指数を算出する際、既に一〇年基準のデータがあった。それを使うのが実態に近いと考えた」と説明している。

 静岡大人文社会科学部の上藤一郎教授(統計学)は「通常の物価指数作成ではありえないこと。理論上も実際上も異例な物価指数だ」と指摘している。(白井康彦)