くらし支える相談センターのブログ

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子ども医療費助成制度(愛知県保険医協会調査)

愛知県保険医協会は、子ども医療費の助成制度についての調査結果をホームページで報告しています。

http://aichi-hkn.jp/system/160608-093000.html

通院時の自己負担無料 “中学校卒業まで”が46自治体に

協会地域医療部は、4月1日時点での「子ども医療費助成制度」の実施状況を調査し、愛知県内54市町村すべてから回答を得た。結果を報告する。

通院 全市町村が県基準を拡大
 現在、子ども医療費助成制度の愛知県基準は、通院は「義務教育就学前」、入院は「中学校卒業」までとなっている。ただ、通院では、県内全市町村で県基準の「義務教育就学前」を超えて助成をしている。2016年4月現在、通院で「中学校卒業」まで何らかの助成を拡大している自治体は52市町村(96.2%)だ。さらに、現在厚労省でも「子どもの医療制度の在り方等に関する検討会」が開かれ、国制度の是非を含め子どもの医療費助成について議論がされている。県基準を「中学校卒業」まで拡大することは待ったなしの課題となっている。

「中卒まで無料」46自治体に

 通院時「中学校卒業」まで自己負担が無料の自治体は、2015年の調査では43自治体(79.6%)だったが、一宮市犬山市江南市が新たに加わり、46自治体(85.1%)となった。
そのうち、「18歳年度末」まで助成を拡大しているのは、東郷町飛島村設楽町、さらに新たに東栄町が加わり、一部負担はあるが犬山市南知多町も含め6自治体となった。
 通院時に自己負担があるのは豊橋市(中学生は1.5割)、半田市(中学生は1割)、津島市(小学4年以上は3割)、常滑市(中学生は1割)、愛西市(中学生は3割)、北名古屋市(小学生以上は1割)、あま市(中学生は1割)、南知多町(中学生以上は1.5割)の8自治体だ。
 同じ県内にも関わらず住む地域の違いで助成に大きな格差があることは問題である。自己負担があることで医療が必要な子どもに受診抑制が働く懸念があり、受診遅れで重篤化を防ぐためにも、すべての自治体でせめて中学校卒業まで窓口負担無料で医療が受けられることが求められる。

依然として残る所得制限
 津島市では、入通院ともに助成が18歳年度末まで拡大しているものの、「市民税所得割が5万円以下の世帯」のみを対象とする所得制限がある。津島市全体の子どもの数を考えると対象者は決して多くない。
 また、北名古屋市では、通院で「中学校卒業」まで対象拡大しているが、小学生以上は市民税非課税世帯と、今回新たに追加された、「世帯の合計所得が192万円に子1人につき38万円を加算した額未満の世帯」のみが自己負担無料の扱いとなっている。
 親の所得で受けられる医療に差が出かねないため、所得制限の早急な撤廃が求められる。

入院 償還払い 残るは9自治
 入院は「中学校卒業」が県基準であり、ほとんどの自治体で中学校卒業までは窓口負担無料で医療が受けられる。しかし、現物給付ではなく償還払いの自治体が9自治体残る。豊橋市(中学生)、半田市(中学生、市内は現物給付)、津島市(小学4年以上)、常滑市(中学生、市内は現物給付)、愛西市(中学生)、北名古屋市(小中学生、市内は現物給付)、あま市(中学生)、南知多町(中学生以上)、豊根村(小中学生)の9自治体だ。一時的であっても窓口での支払いがあることで受診抑制につながりかねない。愛知県保険医協会では、入院においてもすべての市町村で償還払いではなく、窓口負担無料で医療が受けられるよう要請を続けていく。

※全市町村の一覧表はこちらです。