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子どもの貧困にスピード対応を 食堂・居場所づくり報告 /高知県

◆平成28(2016)年11月19日 朝日新聞 大阪地方版朝刊

子どもの貧困にスピード対応を 食堂・居場所づくり報告 /高知県

 

 子どもの貧困をテーマにしたパネルディスカッションが高知市内であり、県内各地での「こども食堂」や子どもの居場所づくりなどの取り組みが報告された。パネリストはそれぞれ地域で子どもたちを見守り、育てることの意義を訴えた。

 ディスカッションは今月15日の「県社会福祉大会」であり、県内の民生委員や児童委員、社会福祉協議会職員ら福祉の現場で働く約500人が耳を傾けた。高知市社会福祉協議会の道脇みかさんは、地域福祉コーディネーターとして担当する鴨田地区で2年前に民生委員ら12人が始めた子どもたちの見守り活動などについて報告。「子どもたちと顔が見える関係を築くことは住みよい地域づくりにつながる」と語った。安芸市の福本かおりさんは今年3月、低料金で子どもたちに食事を提供する「こども食堂くるり」を自宅近くに開設。口コミで毎月30人前後の子どもたちが訪れているという。「食卓を分かち合うことは『あなたの命を応援する』という無言のメッセージになる」

 弁護士の中島香織さんは昨年1月、弁護士仲間らと看護師寮だった建物を借り、虐待などの厳しい環境に置かれた子どもたちの支援拠点「みんなのひろっぱ」を開所した。「子どもたちへの直接支援が最も有効だと感じている。子どもたちと出会い、名前を呼んであげるだけでも絶対に意味がある」と強調した。県児童家庭課の山本倫嗣課長は、生活保護を受けている県内の20歳未満が約2500人、全世帯の子ども全体に占める割合が全国平均の約1・6倍の2・11%(いずれも2014年度)に上る現状を説明。「子どもたちの成長は早い。県もスピード感を持って対応したい」と話した。コーディネーターを務めた県立大社会福祉学部の田中きよむ教授は「かつてより家庭の力が弱まる中で、地域で子どもを見守り、育てる『共生』『共育』が求められている。民生委員や児童委員の力が大事だ」と訴えた。