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(一歩)「子ども食堂」広がる居場所 会津若松のNPO、1カ所から3カ所に/福島県

◆平成28(2016)年11月20日 朝日新聞 東京地方版朝刊

(一歩)「子ども食堂」広がる居場所 会津若松NPO、1カ所から3カ所に/福島県

 家族と一緒に夕食をとれない小・中学生のための「子ども食堂」を運営している会津若松市NPO法人寺子屋方丈舎は10月末、会場を従来の1カ所から3カ所に広げた。「子どもの貧困」が社会的な課題になる中、食事の提供は各地で行われているが、寺子屋方丈舎が重点を置くのは、子どもたちが安心して大人と触れ合える「居場所づくり」だ。

 「一番小さな子の口の大きさに合わせて切ろうよ」。リンゴを切っていた男の子に、会津大学短期大学部1年の渡部優徳さん(23)が声をかけた。同市相生町で週1回行われる「子ども食堂」。16日夕は11人の小・中学生が来ていた。午後4~5時の「学習の時間」の後が「お料理の時間」。渡部さんらボランティアと一緒に料理をつくる。慣れた手つきで包丁を扱う子もいれば、そうでない子も。ご飯が炊けたにおいが広がる午後6時過ぎ、煮物とサラダの2品が出来上がった。会津若松市フリースクールを運営している寺子屋方丈舎が「子ども食堂」を始めたのは昨年9月。理事長の江川和弥さん(52)は「塾や習い事に行く経済的な余裕のない子どもたちに居場所を提供し、夕食を1人で食べる『孤食』を防ぎたいと考えた」と話す。

市内で生活保護を受けている世帯の子どもは約130人、学用品代などの就学援助を受けている小・中学生は約1300人。江川さんらは、生活保護受給世帯の子どもに学習支援を行ってきた市役所や、社会福祉協議会と話し合いながら準備を進めた。インターネットを通じたクラウドファンディングで50人余りから約60万円が寄せられた。食材は生協や企業から提供を受けた。夕食時に子どもが1人になる家庭を主な対象に、参加者を募って活動を始めると、相生町の会場は定員の15人に。「子どもたちが歩いて通える所に、このような場があることが大切」(江川さん)と、10月最終週から城西地区と門田地区でも週1回、同様の取り組みを始めた。両地区の参加者は3人程度と、まだ少ないが、11日、城西地区の会場にボランティアとして来ていた小林純一さん(63)は「子どもたちの笑顔が一番うれしい。私にとってもやりがいがある」と話していた。寺子屋方丈舎は城西、門田地区での参加者を募集している。問い合わせは0242・93・7950まで(月~土曜)。