介護殺人 夫に猶与判決 社会の問題として考えましょう
相談センター所在の名古屋市北区での事件です。
被告の方の献身的な介護を知る地域の住民が嘆願書を300通以上集めて提出しました。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018032490014434.html
老老介護の末、持病に苦しむ妻本人からの依頼で首を絞めて殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われた夫の無職村田利夫被告(80)=名古屋市北区=の判決公判で、名古屋地裁は23日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。
判決で、山田耕司裁判長は「周囲が感銘を受けるほどの献身的な介護で、妻の苦しみが増す中、(殺害を)強く求められ、犯行に及んだ。同情の余地は大きく、社会の中で立ち直ってもらうべきだ」と執行猶予の理由を説明した。
裁判長が最後に「奥さんに思いをいたして余生を全うしてほしい」と語り掛けると、村田被告は静かにうなずいた。判決後は嘆願書を集めるなど支援してきた近所の住民らと抱き合った。
村田被告は、関節リウマチや腎不全に苦しむ妻のチヱ子さん=当時(79)=の介護を約50年続け、食事や入浴など生活全般の世話をしてきた。被告人質問で、被告は「楽にしてほしい」とすがる妻とのやりとりなどを証言。被告自身も「要支援」と判定され、「生活の9割が家内の介護だった」と厳しい老老介護の実態を語った。村田被告の苦労を知る住民らが証言に応じ、寛大な判決を求める嘆願書を300通以上、提出した。
判決によると、医師から今後の治療は困難と告げられたチヱ子さんから殺害を依頼され、2017年10月24日深夜、自宅でタオル地のひもでチヱ子さんの首を絞めて窒息死させた。
(中日新聞)