住居確保給付金の支給要件緩和と積極的活用を求める日弁連会長声明
新型コロナウイルス感染拡大によって家賃の支払に困難を来す人々
める会長声明
https://www.nichibenren.or.jp/
政府は、本年4月7日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基
れを全国に拡大、5月4日には同月31日まで延長した。これに伴
少又は喪失に見舞われ、生活困窮に陥って家賃の支払に困難を来す
出の自粛が引き続き求められるであろうことからすれば、今後、時
る。
家賃滞納によって転居や住居喪失を余儀なくされる生活困窮者の家
づく住居確保給付金があるが、極めて厳格な要件が厚生労働省令に
ずか5095件と利用は低迷してきた。
新型コロナウイルス感染拡大防止に起因する省令改正により、本年
らは離職後2年以内の者だけでなく収入が減少した者も支給対象と
実かつ熱心に期間の定めのない労働契約又は期間の定めが六月以上
を「誠実かつ熱心に求職活動を行うこと」に緩和するなど、要件の
ころであるが、まだまだ改善の余地があると言わざるを得ない。
そこで、当連合会は、新型コロナウイルス感染拡大によって家賃の
確保給付金の支給要件を更に緩和することによって、同制度を積極
1 2年以内の離職又は減収という要件については、要件緩和に伴い窓
るための資料の確保・提出の説明や審査の負担が以前よりも増大し
て、緊急事態宣言期間中は、生活困窮者自立支援法3条3項の「離
び「就職を容易にするため」との文言を削除するとともに省令を改
職活動」を行うことの要件自体を直ちに廃止すること。
2 外国人技能実習生を含む外国人、アルバイト収入や親からの仕送り
校生等が支援の対象となるよう、「離職等の前に主たる生計維持者
3 対象者の要件のうち、収入基準額は、例えば東京23区の場合、単
以下のままであり、いま現実に家賃支払いが困難となっている人の
限額も、生活保護の住宅扶助特別基準と同額(例えば東京23区の
とどまり、これでは家賃の全額をまかなえない世帯が多数生じるこ
ついても、相当程度緩和すること。
4 求職者支援法に基づく職業訓練受講給付金との併給を認めないとの
た後に、失業者が職業訓練によって新たな技能を身に付けた上でよ
ること。
2020年(令和2年)5月7日
日本弁護士連合会
会長 荒 中