くらし支える相談センターのブログ

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子どもの貧困をといなおすを読みました。

子どもの貧困を問いなおす
家族ジェンダーの視点から。

読みが浅いかもしれませんが、ようやく読みました。

一部抜粋。

子どもの貧困の解決の鍵は、労働して所得を得ること(生存)、子どもを産み育てること(ケア)、子どもも親も自らの人生を生きること(尊厳)が一人の人生の中に矛盾なく追求できるこ社会のシステムを創造するなかにあるのではないだろうか。その際、家族という制度化されたシステムは、全体社会と個をつなぐ戦略的な政治的装置として機能する点に留意し、子どものケアの役割を家族責任として規範化することによって母親の養育責任が強調されるようなジェンダー秩序を変革していくことが求められよう。
つまり、女性が自らの人生を生きようとするとき、ケア役割を引き受けることによって多くの女性が経済的な自立の基盤を喪失するという現実があり、育児というケアの目標が子どもの自立の達成を支えることであるにもかかわらず、その役割を負うことによって自らの自立基盤を失うというパラドックスが存在するのである。そこで、いかにケアの社会化を進めていくのかが重要な論点であり、ケアの脱家族化を相当に脱女性化の方向で進めることが重要になる。他者への依存を不可避とするヴァルネラブルな存在である子どもに焦点をあてる貧困問題への取り組みが、いかに家族主義を克服し、ジェンダー平等の推進力になりうるかが問われている。
貧困問題の本質とは、構造的な不平等にあり、反貧困への取り組みは構造的な不平等への挑戦である。
湯澤直美

 

相談員N