くらし支える相談センターのブログ

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手かざし治療の高額セミナーにご注意を

中日新聞の記事からです。

皆さんの周りで被害にあっている方いませんか。


http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2012122002000141.html

 「手かざしで病気を治せる」「病気を治す力が身に付く」などとして、高額なセミナー代金などを払わされるトラブルが東海地方や九州で多発している。セミナーに参加した女性は「病気も治らず、お金だけ取られた」と訴える。福岡県ではセミナーの参加者らが損害賠償を求めて集団提訴したほか、愛知県でも被害対策弁護団が結成され、十一月に電話相談を実施するなど、提訴に向けて準備している。 (田辺利奈)

 セミナーを主催するのは福岡県の株式会社アースハート。同社ホームページによると、二〇〇〇年の設立で、マインドパワー整体、気功療法の研究、セミナー開催などを事業内容に掲げている。

 愛知県の弁護団によると東海地方には愛知、岐阜両県や浜松市などに「施療所」と呼ばれる拠点があり、体の悪い部分に手をかざすと、気の力である「マインドパワー」で、病気が治るという。施術は一回三千円。

 さらに「自分でも力を身に付けられる」と、計三カ月間で七十万円のセミナーを勧められる。修了後は勧誘する側になる。

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 「人を救えると信じていた。ほかの人を引きずり込もうとしていた自分にぞっとする」

 愛知県の六十代女性は約一年間、アースハートで活動をしていた。持病が治らずに、何かに救いを求めていたとき、街頭で女性に声を掛けられた。「宗教とは関係ない。いい先生がいるから」と施療所に誘われた。待合室には数十人がおり、他の人が「良くなった」と話すのを聞くと、自分も少し良くなった気がした。

 その後は「自分で力を身に付ければ、他人も治せる」と言われ、セミナーに参加。入校式では指導者による“パワー注入儀式”があり、マインドパワーを試す実践会なども体験した。勧誘では「地区ごとに、『覚醒』と呼ばれる新会員を増やすノルマがあった」と活動を振り返る。福岡県での月一回の会合にも出席して、幹部の説法を聴かされるうち、愛にあふれた団体だと思ったという。

 女性は、アースハートが宗教団体と関係していると知った家族に説得されて脱会。一番後悔しているのは「知人を勧誘して、入会させてしまったこと。今思うと、ただの金集めだった。自分の病気も治らなかった」と話している。

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 トラブル拡大に伴い、福岡県では今年になって被害対策弁護団が結成され、十一月までに四十七人が、セミナー代金や集会参加費など計約七千百万円の損害賠償を求め、福岡地裁集団訴訟を起こした。原告のうち十八人は愛知、静岡両県の住民。弁護団によると、提訴の動きを受け、東海地方からの相談は約二百件に上っている。東京にも施療所があり、関東地方でもトラブルがあるという。

 浜松市の消費生活相談窓口には、ここ五年で相談が約二十件あり、愛知、岐阜両県の窓口にも、同社や類似する情報が寄せられている。愛知県でも七月に弁護団が結成され、十一月三十日の電話相談では、被害にあった四十代女性などから、具体的な相談が寄せられた。

 福岡県の弁護団によると、アースハートの前代表は泰道という宗教法人(一九九七年に解散)の元幹部。泰道も「手かざし治療」などで被害者から訴訟を起こされ、敗訴している。

 福岡県の大神(おおが)周一団長は「手かざしが医療行為か宗教行為かが争点。宗教行為だとしても、方法や結果が妥当かどうかが問題」と話す。泰道は現在、宝珠宗宝珠会という宗教団体が引き継いでいるが「団体の形を変えても、やっていることは同じ」と話す。

 アースハートは本紙の取材に「何もコメントできない」と回答している。

 愛知県の弁護団は一月二十六日午後一時から、名古屋市の愛鉄連厚生年金基金会館で、家族向けの説明会を開く。荻原典子団長は「本人は言い出しにくいと思うので、家族や周りの人が情報を寄せてほしい」と話している。

 問い合わせはアースハート被害対策弁護団(名古屋第一法律事務所内)=電052(211)2236=へ。