くらし支える相談センターのブログ

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生活保護の不正受給の報道

以下のニュースが報道されていました。

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時事通信の報道)
厚生労働省は11日、2011年度に発覚した生活保護費の不正受給が3万5568件あり、金額は計173億1000万円だったと発表した。前年度の2万5355件、128億7000万円に比べると、件数は40%、金額は34%の増加。10年前の01年度との比較では、件数は5倍、金額は3.7倍に増えている。
 増加の理由について厚労省は、就労収入の未申告などを福祉事務所が厳格に調査するようになったためと分析。発覚した不正受給の中には高校生のアルバイト代を申告し忘れたケースなども含まれていることから、同省は「必ずしも悪意のある受給者が急激に増えたわけではない」としている。

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013031100764

朝日新聞の報道)
2011年度の生活保護の不正受給額が総額約173億円(約3万5千件)にのぼることが11日、厚生労働省のまとめで分かった。前年度に比べて約44億円、件数は約1万件増えており、いずれも過去最多だった。

 11年度の生活保護費は総額で約3兆5千億円。不正受給が全体に占める割合は0・5%(前年度0・4%)。不正受給額の増加の理由について厚労省は、受給者が増えて保護費そのものが増えたことに加え、自治福祉事務所による収入調査が進んできた影響と分析している。

 不正の内訳は、就労で得た収入の無申告が最も多く45%。年金の無申告が25%と続く。このほか、親族から得た仕送りを申告していなかったり、交通事故の示談金を申告していなかったりした事例があった。不正が見つかったきっかけで多かったのは、自治体による照会や調査で90%だった。

http://www.asahi.com/business/update/0311/TKY201303110496.html

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近時の生活保護バッシングに対応し、収入の調査が厳格に行われた結果で、悪質な例が増えたとはいえないようです。

生活保護費の全体からみると、0.5%です。不正受給が増えたという一面だけの報道ではわかりませんが、不正といってもどういう内容なのかを知ると悪質と思えないと思います。
暴力団が行うような不正はもちろん絶対に許せません。

上の記事でも紹介されていますが、交通事故の示談金について自分のお金にならないのかという相談がたまにあります。自分が痛い目にあった損害賠償金なので、心情としては理解できますが、きちんと申告をしないといけませんし、自分のお金になるわけではありません。
悪質とはいえないと思います。

相談員 長尾忠昭